黒猫の性格は甘えん坊?不吉の迷信とオスメス差・飼いやすさを検証
黒猫を巡る評価は、東西の歴史と文化によって真っ二つに分かれてきました。ネット上などで散見される「不吉」というネガティブなイメージは、主に中世ヨーロッパの暗黒時代に端を発しています。
12世紀以降のキリスト教社会において、夜行性で暗闇に光る眼を持つ黒猫は「魔女の使い」や「悪魔の化身」と同一視され、大規模な魔女狩りとともに弾圧の対象となりました。この宗教的迫害が民俗学的なジンクスとして定着し、「前を黒猫が横切ると不幸が訪れる」といった西洋の迷信が世界中へ拡散されたのです。
一方、日本の歴史を紐解くと、黒猫は正反対の「至高の福猫・魔除けの象徴」として珍重されてきました。平安時代、第59代天皇である宇多天皇が記した日記『寛平御記』(889年)には、父である光孝天皇から譲り受けた愛猫について次のような極めて熱烈な手記が残されています。
「他の猫は浅黒い色をしているが、我が愛猫は純黒でまるで墨のようだ。夜寝るときには懐に入り込み、心を通わせてくれる」――現存する日本最古の飼い猫記録において、黒猫はすでに深い愛情を注がれる存在でした。
さらに江戸時代には、黒猫は結核などの難病を治す霊力があると信じられ、新選組の沖田総司が病気平癒を願って黒猫を飼っていた逸話や、商売繁盛を呼ぶ「黒い招き猫(魔除け・厄除け)」として町人に愛された記録が多数残っています。特に尻尾の先が曲がった「カギしっぽの黒猫」は、その曲がり角に幸運を引っ掛けて運んでくる吉兆のジンクスとして、現代でも愛猫家の間で大切に語り継がれています。