球速を上げる方法の真実|筋トレ頼みを脱し140キロの壁を破る極意
ピッチングフォームの改善において、フォームの形だけを真似ようとしても破綻するケースが目立ちます。その根本原因は、関節可動域という物理的な前提条件が整っていないことにあります。特に球速向上において決定的な役割を果たすのが、肩甲骨と股関節の連動性です。
投球腕が最大限にしなる状態、すなわち最大外旋(MER:Max External Rotation)のポジションを作り出すには、肩関節だけの柔らかさでは不可能です。胸椎がしっかりと伸展・回旋し、肩甲骨が背骨側へ引き寄せられながら上方へと回旋(内転+上方回旋)する連動があって初めて、肩や肘に過剰な負担をかけることなく深いしなりが生まれます。肩甲骨周りの動きが硬い投手は、腕を後ろに引こうとするあまり肘が下がったり、ボールを早く離しすぎて回転軸がブレたりする弊害に見舞われます。
同様に、軸足側の股関節に体重を乗せて骨盤を水平に運ぶ「ヒップファースト」の動作や、ステップ足側でしっかりと踏ん張るためには、股関節の内旋・外旋可動域が十分に確保されていなければなりません。股関節の柔軟性が乏しい選手は、ステップした際に骨盤が前傾を保てず、体が早く開いてボールの出どころが打者から丸見えになってしまいます。肩甲骨と股関節という体幹に直結する2大関節の可動域を広げることが、安定した強い腕の振りを手に入れるための土台となります。