脳卒中と脳梗塞の違いを専門医が解説!命を守る初期症状と対応策
脳梗塞をはじめとする脳血管障害は、突然襲いかかってくる。しかし、発症の直前あるいは初期段階において、身体は必ずSOSのサインを発している。これらを「仕方のない疲れ」や「一時的な立ちくらみ」として放置することが、もっとも危険なシナリオを招く。
国際的に広く普及し、NHK健康チャンネルなどの医療啓発番組でも度々取り上げられているのが「FAST(ファスト)」と呼ばれる標語だ。これは脳卒中が疑われる患者を発見するための世界標準のアセスメント法である。異変を感じたら、即座に次の3つの症状を確認してほしい。
第一に「F(Face:顔の歪み)」。口元が下がったり、片側の顔が引きつってうまく笑えない状態を指す。第二に「A(Arm:腕の麻痺)」。両腕を前に突き出して手のひらを上にしたとき、片方の腕が自然と下がってしまう。第三に「S(Speech:言葉の障害)」。ろれつが回らない、思った単語が出てこない、相手の言うことが理解できない。そして最後の「T(Time:時間)」は、これらの症状が一つでも見られたら、迷わず救急車を呼ぶべき時刻を意味している。
地域社会や医療機関が一体となって推進するFAST運動プロジェクトは、このシンプルな確認手順を周知することで、多くの命を未遂の悲劇から救い出してきた。自分自身だけでなく、目の前の家族や同僚の小さな不自然さを見逃さない眼力こそが最大の防衛策となる。