新幹線延伸2年の裏で何が?加賀市医療センター独自取材で迫る医療崩壊の真相

新幹線延伸2年の裏で何が?加賀市医療センター独自取材で迫る医療崩壊の真相について分かりやすく解説いたします。詳細な分析をご確認ください。

加賀温泉駅の目と鼻の先という立地は、開院当初、地方病院の先進モデルとして喝采を浴びた。東京へも、関西へも直結するアクセスの良さ。だが、延伸から2年が経過した今、現場から聞こえてくるのは手放しの賛辞ではない。

新幹線は確かに金沢や富山、首都圏からの専門医招聘に一定の利便性をもたらした。週末ごとの応援医師の手配は以前よりスムーズになった。しかし、ストロー現象の刃は患者側にも向いている。新幹線を使えば、金沢大学附属病院や県立中央病院まで30分足らず。福井の基幹病院へも容易に手が届く。結果として生じたのは、軽症や中等症の高齢患者が地元に滞留し、専門的な治療を要する患者層が遠方へ流出するという、医療機能のねじれ現象だった。

ベッドが埋まっても、高度医療の手術件数が想定通りに伸びなければ、急性期病院としての経営収支は歪む。利便性がもたらした人の流動は、地方中核病院の役割分担を根底から揺さぶり続けている。

佐々木 一輝

佐々木 一輝

ビジネス戦略アナリスト

Webメディアでの編集・執筆歴10年。読者の好奇心を刺激するストーリー作りを心がけています。