豪山火事でコアラはどうなった?絶滅危惧指定の真相と2026年の現在
世界中に大きな衝撃を与えたブラック・サマー森林火災において、被災したコアラの数は約6万1,000頭に達すると世界自然保護基金(WWF)の調査報告書は結論づけています。この数字には直接的な焼死だけでなく、煙による窒息、火傷、激しい脱水症状、そして唯一の食料であるユーカリの森が灰燼に帰したことによる餓死が含まれています。
火災発生から月日が流れた2026年現在、被害地域におけるコアラの生息数は決してV字回復を遂げていません。とりわけ被害の激しかったニューサウスウェールズ州やクイーンズランド州では、一部の地域個体群が火災前の3割から5割程度まで落ち込んだまま停滞しており、繁殖活動にも大きな影を落としています。
移動速度が遅く、樹上にとどまる習性を持つコアラにとって、時速数十キロメートルで迫る業火から逃げる術はありませんでした。現地調査にあたる生態系研究チームの発表によると、火災跡地で新芽が芽吹き始めた現在でも、過密化した被災シェルターと荒廃した生息地のミスマッチが続いており、かつての豊かな楽園を取り戻すには数十年単位の時間が必要であると報告されています。