テレビ視聴率低下の真相と測定の仕組み|コア層やTver影響を徹底解明
長年、ワイドショーや新聞の芸能欄を賑わせてきたのは「世帯視聴率」でした。しかし、この指標と現場の実態との間には決定的なズレが生じています。
世帯視聴率は「テレビを所有する世帯のうち、誰か1人でもその番組を見ていた世帯の割合」を示します。一方で個人視聴率は「世帯内の誰が、実際にどれだけ視聴したか」を世帯員一人ひとりに割り振られた専用リモコンのボタン操作や音声認識技術等で個別に測定した割合です。
かつてのように家族全員が1台のテレビを取り囲んでいた時代は世帯視聴率で十分でしたが、個室テレビの普及やスマートフォンの台頭により、家族内でも視聴コンテンツが完全に分断されました。その結果、世帯視聴率だけでは「高齢者が1人でテレビをつけっぱなしにしている世帯」と「若年層が食い入るように見ている世帯」を区別できなくなったのです。
そこで現在、民放各局やスポンサー企業が最も重視している指標がコア視聴率(コア層ターゲット視聴率)です。
コア層とは、一般的に13歳から49歳までの男女(Teen層、F1・F2層、M1・M2層)を指します。この層は生活必需品や家電、自動車、エンタメ、日用品などに対する購買意欲が旺盛であり、広告を出稿するスポンサー企業にとって最大のターゲットとなります。高齢層に偏った番組で世帯視聴率が15%取れても、購買行動を起こしにくい層ばかりであれば広告主は満足しません。逆に、世帯視聴率が5%程度であっても、コア視聴率が高くSNSで話題化していれば、高額なCM出稿枠が次々と埋まります。
「世帯視聴率が2桁なのに番組が打ち切られた」「視聴率が低いと言われているドラマが続編や映画化される」という現象の裏には、このコア視聴率とスポンサー収益の直結というテレビ業界の明確な構造的理由が存在します。