走れメロスはおかしい?実は歩いていた疑惑とツッコミどころを徹底解剖
『走れメロス』に対して突きつけられる「おかしい」という数々の指摘は、作品の価値を貶めるものではなく、むしろ太宰治という作家が張り巡らせた人間心理の複雑さを解き明かす鍵である。時速数キロの緩慢な移動、親友を巻き込む身勝手さ、自己正当化の言い訳、そして唐突な全裸オチ。これらはすべて、人間が持つ逃れられない怠惰や身勝手さをリアルに反映している。
完全無欠のヒーローが友のために命を懸けるだけの単調な英雄譚であれば、この物語はこれほど長い年月を超えて読み継がれることはなかったはずだ。恥ずべき実体験を抱え、情けない自己を直視せざるを得なかった太宰治だからこそ、美談の装飾を施しながらも、その隙間から人間の生々しい本音を覗かせる傑作へと結実させることができた。今一度、ツッコミどころの数々を入り口としてテキストを開き直すことで、教科書の枠に収まらない太宰文学の底知れぬ魅力と毒を再発見できるはずだ。 (出典: 走れ メロス おかしい(Yahoo!ニュース))
詳細を見る詳細を見る詳細を見る