小柳トムの現在と改名秘話|息子たちの躍進と大病を越えた70年の軌跡
小柳トムのキャリアを語る上で欠かせないのが、そのユニークな出自と芸能界入りの原点です。本名はトーマス・アキオナ・アカナ・ジュニア(Thomas Akiona Akana Jr.)、日本名は小柳 冨(こやなぎ とむ)。米国ハワイ州マウイ島出身で先住ハワイアンの血を引く父親と、日本人の母親の間に生まれました。幼少期に埼玉県熊谷市へ移住し、埼玉県立熊谷工業高等学校を卒業した後は、意外にもピアノの調律師として社会人キャリアをスタートさせています。豊かな音感とリズム感はこの時代に培われた職人的技術が土台となっていました。
転機が訪れたのは1980年、日本テレビの人気オーディション番組『お笑いスター誕生!!』への挑戦でした。トレードマークとなった巨大なアフロヘアーに黒いサングラス、白バイ隊員を彷彿とさせる警察官の制服を身にまとい、独特のハスキーボイスと鋭い観察眼で展開する「小柳トム 警官コント」は瞬く間に審査員と視聴者を魅了。スピード違反のドライバーを理不尽かつリズミカルに追い詰めるネタで勝ち進み、見事に金賞を獲得しました。当時のお笑い界において、洋楽カルチャーのグルーヴ感をコントに持ち込んだスタイルは極めて前衛的であり、ピン芸人・小柳トムの名は全国区へと知れ渡ることになります。