ラグーソースの真実|ボロネーゼとの違いと牛すね肉の絶品プロ技を解明
ラグーの奥深さは、赤ワインとトマトの組み合わせだけに留まりません。イタリア北部やトスカーナ地方の郷土料理に見られるバリエーションは、素材本来の味わいをダイレクトに引き出します。
トマトを使わない洗練「ラグー・ビアンコ」
赤ワインやトマトを使わず、白ワインとハーブ(ローズマリーやセージ)で煮込むスタイルです。豚挽肉や仔牛の挽肉を主体にし、仕上げに少量の生クリームやブロード、レモンの皮のすりおろしを加えます。トマトの酸味に邪魔されないため、肉本来のミルキーな脂の甘みとハーブの清涼感が際立ちます。合わせるパスタは、少し細めのタリオリーニやショートパスタのリガトーニが最適です。
山の恵みを味わう「ジビエ・鹿肉のラグー」
近年、国産ジビエの流通整備とともに注目度を高めているのが鹿肉(ベニソン)のラグーです。鹿肉は高タンパク・低脂質で鉄分が豊富ですが、脂が少ないため強火で急激に加熱するとパサつきます。下処理として、赤ワイン、ジュニパーベリー(ネズの実)、黒胡椒、香味野菜に一晩漬け込んで肉質を柔らかくします。調理時には豚の背脂やパンチェッタを適量補うことでコクを補填し、じっくり弱火で煮崩すことで、野趣に満ちた極上のソースへと昇華します。