笑顔を引き立てる「えくぼ」の正体とは?構造と遺伝の真実を追う
古来、世界各地でえくぼは特別な意味を与えられてきた。日本で親しまれてきた「笑い窪」という呼び名も、笑う門には福来たるの言葉通り、福を呼び込む縁起の良い相として珍重された歴史を物語る。
西洋文化圏では、「天使が赤ん坊の頬に触れた指の跡」というロマンチックな伝承が語り継がれている。天使から愛された証として、生涯にわたって幸運に恵まれるという祝福のジンクスだ。また、アジアの一部の地域では、前世の記憶を消すスープを飲むことを拒み、現世へ愛する人の面影を残したまま生まれ変わった痕跡であるという情熱的な伝説すら存在する。
国や時代を問わず、頬の小さなくぼみが人々の想像力を掻き立て、魅惑的で「幸運の印」として語られ続けてきた背景には、人間が顔の左右非対称性や小さな変化に本能的な愛着を感じる心理的メカニズムがあるのだろう。