すすきの老舗「炉端焼きウタリ」昭和の煙に潜む魅力と予約術を解説
ネオン煌めくすすきの交差点から少し歩いた南5条西5丁目。近代的なビルが立ち並ぶ一角に、突如として黒塗りの重厚な木造建築が現れます。看板に掲げられた「ウタリ」の文字は、アイヌ語で「仲間」や「同胞」を意味する言葉です。戦後間もない1954年に創業し、札幌の炉端焼きの歴史そのものとともに歩んできました。
店内中央には年季の入った大きな炭床(囲炉裏)が鎮座し、煤(すす)で飴色に染まった柱や梁が長い年月の重みを物語っています。カウンター越しに職人が炭火の火加減を見極めながら、串に刺した旬の魚介をじっくりと焼き上げる光景は、まさに日本の食文化の原点を感じさせる迫力があります。過度な装飾を排し、本物の昭和レトロが息づくこの空間そのものが、訪れる人にとって貴重な文化遺産のような体験となっています。