真田広之のDnaを継ぐ者――長男・手塚奨之が選んだ「七光り拒絶」の表現者人生と、父子の知られざる距離感
手塚奨之が選んだ表現の場は、スクリーンの中ではなく、音のうねりの中だった。彼はギタリストとして、また作曲家として活動し、インディーズシーンやサポートミュージシャンとしてのキャリアを地道に積み重ねてきた。
彼の紡ぐサウンドは、決してお仕着せのポップスではない。どこかオルタナティブで、内省的。それでいて、聴く者の感情を揺さぶる強い芯がある。映画のスクリーン越しに観客を圧倒する父の演技が「静と動」の極致であるならば、奨之の音楽もまた、静寂と爆発を行き来するダイナミズムを持っている。血は争えない、とはまさにこのことだ。