昭和の名作『俺たちの旅』名優・森川正太の軌跡と今明かされる裏話
カメラの回っていない場所での森川は、作中のムードメーカーそのものの温かい人物だったと、当時のスタッフや共演者は口をそろえる。長時間のタフなロケ現場でも決して嫌な顔を見せず、アドリブを交えて現場の空気を和ませていたという。
『俺たちの旅』の撮影中、NGを出して落ち込む若手スタッフを密かに居酒屋へ連れ出し、朝まで熱く演技論や人生観を語り明かしたという秘話も残されている。また、役者業のかたわら絵画や劇団のプロデュースなど多才な表現活動にも情熱を注いでいた。彼が画面上で見せたあの優しさと深みのある眼差しは、演技の技術を超えた「人間・森川正太」の生き様そのものが滲み出たものだったと言えるだろう。