資格取得の強要は違法?資格ハラスメントの境界線と拒否できる正当理由

資格取得の強要は違法?資格ハラスメントの境界線と拒否できる正当理由に関する基本知識を初心者にも親しみやすくまとめました。今すぐチェックことができます。

会社には労働者に対して一定の業務命令権が認められていますが、その権利は無制限ではありません。労働契約法第3条5項では「労働契約の内容の変更は信義誠実の原則に従うこと」が求められており、業務命令権の濫用は法的に無効となります。

資格ハラスメントの違法性を左右する決定的な基準は、その資格が業務遂行上どうしても不可欠なものか、就業規則や雇用契約書に明確な根拠規定が存在するかという点です。例えば、法令で設置が義務付けられている有資格者(衛生管理者や宅地建物取引士など)を社内で確保するために取得を促すこと自体には一定の合理性があります。しかし、就業規則に根拠がないまま突発的に命令を下したり、契約内容と全く無関係な資格の取得を強制したりすることは、業務命令権の逸脱と評価されます。

労働契約で合意していない資格取得を一方的に命じられた場合、労働者には業務命令としての資格取得を拒否する正当な権利が生じます。会社側が「命令違反」を理由に戒告や減給などの懲戒処分を下そうとしても、労働基準法や労働契約法に照らして客観的に合理的な理由を欠き、社会通念上相当と認められない処分は裁判で無効と判断されます。

中川 明日香

中川 明日香

ビジネス戦略アナリスト

エンタメ・カルチャー業界の深掘り取材を得意とし、現場のリアルな声をお伝えします。