渋谷音楽堂の真相と現在|渋谷公会堂との違いや座席・評判を徹底解剖

渋谷音楽堂の真相と現在|渋谷公会堂との違いや座席・評判を徹底解剖に関する深掘り記事をまとめてご紹介します。関心のある方は必見です。

初代・渋谷公会堂が開館したのは1964年10月のことである。同年に開催された東京オリンピックの重量挙げ会場として整備され、大会終了後に本格的なコンサートホールとして供用が開始された。1970年代から80年代にかけては『8時だョ!全員集合』の公開生放送の舞台となり、伝説的ロックバンド・BOØWYが解散を宣言した1987年12月24日のライブなど、数多くの歴史的瞬間を刻んできた。当時のアーティストたちが自著やインタビューで「渋公のステージに立つことが一流の証」と口を揃えた通り、ここはまさに国内ポピュラー音楽の聖域だった。

しかし、半世紀の歳月は建物に着実な負荷を蓄積させた。建て替えが決断された決定的な理由は、構造躯体の老朽化と耐震性能の不足、そして現代の大規模エンターテインメント演出に対応できないバックヤードの狭小化である。2011年の東日本大震災を経て特定天井の耐震改修が急務となるなか、隣接する渋谷区役所本庁舎とともに一体的な再開発が計画された。

この事業では、区の財政負担を大幅に抑制するため「PPP(官民連携手法)」が採用された。定期借地権を設定して民間デベロッパーへ敷地の一部を貸し出し、民間資本で庁舎と公会堂を再建。公会堂の運営・維持管理には指定管理者制度が導入され、LINE(現・LINEヤフー)、アミューズ、パソナグループで構成されるコンソーシアムが担うこととなった。そして命名権契約の締結により、2019年10月、新・渋谷公会堂は「LINE CUBE SHIBUYA」として新たな産声を上げたのである。

山口 彩花

山口 彩花

写真家・フォトエディター

グルメと旅を愛するフリーライター。全国各地の隠れた魅力を独自の視点から紹介します。