Akb48『次の足跡』の真価|収録曲の違いと隠れた名曲を徹底解剖
シングル曲の華やかさの裏で、ファンの間で「これこそが『次の足跡』の真骨頂」と評されているのが、Disc 2に散りばめられたアルバム用書き下ろし曲群です。秋元康氏による歌詞の世界観と、当時のメンバー個々の立ち位置やキャラクターが鮮やかにリンクしています。
Type Bに収録された島崎遥香さんのソロ曲『動機』は、アコースティックギターの哀愁漂う旋律に乗せ、彼女特有の透明感とどこかアンニュイな情感が際立つ叙情詩です。アイドル然としたポップスとは一線を画すリアリズム溢れる歌唱は、彼女の表現者としての評価を一気に高めました。
一方、Type A収録の『10クローネとパン』は、横山由依さん、兒玉遥さん、山本彩さん、宮脇咲良さん、児玉遥さんという、各拠点の新世代リーダー候補たちで結成されたコンセプチュアルな楽曲です。北欧の童話を思わせる重厚でダークな世界観とコンテンポラリーダンスのような激しい振付は、アイドルポップの枠組みを超えた完成度を誇ります。
さらに、柏木由紀さん・小嶋陽菜さん・松井玲奈さんという各チームの美の象徴がトリオを組んだ『シャワーの後だから』(Type B)の大胆な大人の艶めかしさや、秋元才加さんの卒業を記念して大島優子さんら2期生が集結したメモリアルソング『強さと弱さの間で』(Type A)など、聴き込むほどにドラマが立ち現れる構成となっています。