Sns偽情報はなぜ信じられるのか?拡散の裏側と防衛術の全貌
非常時において、情報は命をつなぐライフラインそのものです。しかし近年の災害現場では、SNS上に放たれた虚偽情報が救命活動を直接阻害する深刻な事態が頻発しています。記憶に新しい令和6年能登半島地震の発災直後、X(旧Twitter)上には「息子が足を挟まれて動けません」「助けてください」といった切迫した投稿が何千件も飛び交いました。
政府広報や自治体の事後調査によると、これらの中には過去の別災害の画像を転用した投稿や、実在しない架空の住所を記した完全な虚偽情報が大量に含まれていました。中には海外のアカウントがインプレッション(閲覧数)による収益化を目的に、機械翻訳を用いて被災者を装ったケースも多数確認されています。
当時、現場で対応にあたった自治体関係者や消防本部の証言は悲痛を極めます。「119番の通信指令室には、ネット上のデマ投稿を見た県外の親族や善意の第三者からの確認電話が殺到し、数時間にわたって回線がパンク状態に陥った。その間、本当に救助を求めていた被災者からの発信が弾かれていた可能性は否定できない」――救命のタイムリミットが迫る現場において、無責任に拡散されたデマは文字通り人の命を脅かす凶器となったのです。
さらにSNS上では「火事場泥棒が横行している」「特定の外国人グループが略奪を行っている」といった、被災者の不安や排外主義を煽るデマも拡散しました。避難生活を送る被災者からは「暗闇の中で怯えながら自警団を見回らせる羽目になり、心身ともに限界だった。後からデマだと分かり、激しい憤りを覚えた」という生々しい手記が寄せられています。