やすらぎの里が暴いた名優の孤独と真実!倉本聰の傑作と配信ガイド
「やすらぎの郷」という甘美な響きを持つ施設の裏側に、脚本家・倉本聰は何を潜ませていたのか。この施設に入居できる条件はただ一つ、全盛期の映画やテレビの黄金期を支えた表現者であること。入居金は無料。一見すれば選ばれし者たちに用意された終の楽園だが、その実態は、過去の栄光という名の呪縛から逃れられない者たちが集う「華麗なる終着駅」に他ならない。
物語の中心となる元売れっ子脚本家・菊村栄をはじめ、かつての大女優や名優たちは、忍び寄る認知症の影に怯え、容姿の衰えに絶望し、それでもなお恋情や嫉妬の炎を燃え上がらせる。世間から隔絶された楽園のなかで暴かれるのは、着飾った仮面を剥ぎ取られた人間の剥き出しのエゴだ。シニア向けヒューマンドラマと銘打ちながらも、描かれる感情の毒気とサスペンスフルな心理戦は、観る者の胸を鋭く抉る。