あやめとしょうぶの違いは?一瞬で見分ける花びらの模様と生息地

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「いずれあやめ(しょうぶ)か、かきつばた」という故事成語は、「どちらも甲乙つけがたいほど極めて優れており、選択に迷うこと」の例えとして広く使われています。

この言葉の原点は、鎌倉時代初期の軍記物語『太平記』に記された源頼政(みなもとのよりまさ)の逸話にあります。鵺(ぬえ)退治の武功を立てた頼政は、褒美として宮中一の美女「菖蒲前(あやめのまえ)」を下賜されることになりました。しかし、鳥羽院は一筋縄では渡さず、菖蒲前と全く同じ装束を着せた美姫12名を並べ、「自らの力で本物の菖蒲前を見つけ出してみせよ」と難題を突きつけます。

その際、頼政がその場で詠んだのが次の名歌です。

「五月雨に 沢べのまこも 水こえて いづれあやめと 引きぞわづらふ」
(五月雨の水かさが増す沢辺で、どれがあやめか見分けがつかず引き抜くのに迷うように、どなたも美しく見分けがつきません)

機知に富んだこの歌に見事感服した院は、頼政に無事菖蒲前を引き渡しました。日本人は古来より、これらの花が持つ「見分けがつかないほどの繊細な美の類似性」を風流として愛で、文学や絵画へと昇華させてきたのです。

【プロの結論】初心者が失敗しない鑑賞・撮影スポット選びの基準

初夏の観光やガーデニングにおいて、目的別にどの花を選ぶべきか、明確な選択基準を提示します。

▼ 壮大なスケール感と多彩な色彩を楽しみたい人:【花菖蒲】が最適
江戸系・肥後系・伊勢系など5,000種以上の品種が存在し、花径も最大20cmと圧巻の迫力を誇ります。広大な水田跡地や回遊式庭園で一面に咲き誇る絶景を撮影したいなら、6月中旬の花菖蒲園一択です。

▼ 日本庭園の静けさと古典美を味わいたい人:【杜若】が最適
尾形光琳の国宝『燕子花図屏風』に描かれたような、深みのある紫紺と純白のストイックな美しさが魅力です。古刹の池のほとりなど、水面に映る風情を静かに鑑賞したい大人向けのスポットに向いています。

▼ 自宅の庭や花壇で手軽に育てたい人:【あやめ】が最適
水辺を必要とせず、一般的な日当たりと水はけの良い花壇やプランターで容易に栽培できます。草丈もコンパクトで倒れにくく、家庭園芸における扱いやすさは3種の中で群を抜いています。

小林 直樹

小林 直樹

トレンドリサーチャー

シンプルで洗練された住まいづくりとインテリアコーディネートのアイデアを提案しています。