支払通知書と請求書の違いは?インボイス制度の落とし穴と正しい書き方
インボイス制度(適格請求書等保存方式)の施行以降、支払通知書の重要性は劇的に高まりました。通常、仕入税額控除を受けるためには売り手から「適格請求書」の交付を受ける必要がありますが、消費税法第30条第9項第3号の規定に基づき、買い手が作成する「仕入明細書」等による代用が認められています。実務上、この仕入明細書に該当するのが要件を満たした支払通知書です。
支払通知書を適格請求書として有効に機能させるためには、以下の記載事項を漏れなく網羅しなければなりません。
- 支払通知書作成者の氏名または名称(買い手側の社名)
- 課税資産の譲渡等を行った者の氏名または名称および登録番号(売り手側の社名および「T+13桁」の適格請求書発行事業者登録番号)
- 取引年月日(課税資産の譲渡等が行われた日付)
- 取引内容(軽減税率の対象である場合はその旨)
- 税率ごとに区分して合計した対価の額および適用税率(10%対象・8%対象の税込または税抜合計額)
- 税率ごとに区分した消費税額等(端数処理は1つのインボイスにつき税率ごとに1回)
ここで極めて重要な法的トラップが存在します。国税庁のガイドラインにおいて、仕入明細書等により仕入税額控除を行う場合、「相手方(売り手)の確認を受けたもの」に限られると明確に定められている点です。
発行しただけで完了とする運用は税務調査で否認されるリスクがあります。「通知書送付後〇日以内に異議申し立てがない場合は記載内容を承認したものとみなす」という事前合意(契約書の条項や通知書面上の明記)を確立しておくか、システム上での承認ログを確実に記録しておく体制が不可欠です。