かすたどんと萩の月の違いを徹底比較!元祖やパクリ疑惑の真相と味の結論
二つの銘菓を並べた際、誰もが抱く「どちらが先に生まれたのか」という疑問。結論から言えば、歴史的な先駆者は宮城県仙台市に本社を置く菓匠三全の「萩の月」です。その発売時期と開発ストーリーを検証すると、当時の製菓業界における画期的なイノベーションが浮かび上がってきます。
菓匠三全が「萩の月」を世に送り出したのは1979年(昭和54年)のことでした。当時のお土産菓子といえば、日持ちのする乾いた焼き菓子や羊羹が主流であり、水分の多い生菓子やカスタードクリームを長期間品質維持したまま流通させることは不可能に近いとされていました。しかし菓匠三全は、三菱ガス化学が1977年に開発したばかりの脱酸素剤「エージレス」に着目。蒸したてのカステラとフレッシュな特製カスタードを小箱ごとに個包装し、エージレスを封入する技術を確立したことで、常温で10日以上日持ちする革命的な土産菓子の開発に成功したのです。
一方、薩摩蒸氣屋が「かすたどん」を世に送り出したのは平成に入った1990年前後とされています。薩摩蒸氣屋はもともと、鹿児島の伝統和菓子である「かるかん」や「春駒」などの蒸し菓子で卓越した職人技術を誇っていた名門です。南九州の温暖な気候で育まれた新鮮な卵をふんだんに使い、かるかんで培った高度な蒸気コントロール技術を西洋菓子のカスタードクリームと融合させる形で誕生したのが、かすたどんでした。
発売時期の時系列だけを見れば、萩の月がかすたどんより10年以上先行していることは動かしがたい事実です。しかし、かすたどんは単なる模倣ではなく、鹿児島の地域資源と独自の蒸し製法を注ぎ込むことによって、九州を代表する傑作としての地位を築き上げていきました。