市杵島姫命の真力とは?弁財天との違いや美と財運を呼ぶサインを解明
『古事記』では「市寸島比売命」、『日本書紀』では「市杵嶋姫命」と記されるこの女神は、神代の重大局面である天照大神 須佐之男命 誓約(うけい)によって誕生しました。須佐之男命が持っていた十拳剣(とつかのつるぎ)を天照大神が噛み砕き、吹き出した清らかな霧から生まれたのが、田心姫命(たごりひめのみこと)、湍津姫命(たぎつひめのみこと)、そして市杵島姫命の「宗像三女神」です。
なかでも市杵島姫命は三女神の中で際立った美貌を誇ったと伝えられ、名前の「イチキ」は神霊を斎き祭る(いつきまつる)清浄な祭祀そのものを意味します。古くは荒波を鎮める航海安全や流水の神として崇められていましたが、奈良時代から平安時代にかけて進展した神仏習合(本地垂迹説)の波の中で、インドの聖なる河川を神格化したヒンドゥー教の女神サラスヴァティーに起源を持つ仏教の守護神「弁財天(弁才天)」と不可分に結びつきました。
流水の清らかさ、財をもたらす豊かさ、そして言語や音楽を司る流暢さという共通項から両者は同一視され、近世以降は市杵島姫命 金運 財運や市杵島姫命 芸能 美貌を授ける万能の神威として、庶民から武家、現代の表現者や経営者に至るまで熱狂的な信仰を確立するに至ったのです。