国宝曜変天目の宇宙と出逢う。大阪・藤田美術館の極上鑑賞ガイド
藤田美術館の展示室に飾られているのは、単なる鑑賞用の美術品ではない。かつて茶の湯の巨匠・千利休が愛し、数々の茶人たちが手に取ってきた名高き茶道具が、静かにその歴史を物語る。さらに、三蔵法師の天竺への旅路を描いた至高の絵巻物「玄奘三蔵絵」をはじめとする仏教美術も必見だ。一般的な美術館のように過度な解説パネルで埋め尽くされることはなく、作品そのものが放つ空気感にひたることができる。薄暗い展示室の中で個々の作品とサシで向き合う時間は、忘れていた贅沢な感覚を呼び覚ましてくれる。