シクラメンの育て方決定版|なぜ枯れる?プロ直伝の夏越し&水やり術

シクラメンの育て方決定版|なぜ枯れる?プロ直伝の夏越し&水やり術とはどのようなものなのか? 主要なファクトを整理してお届けします。

園芸相談窓口や植物クリニックに寄せられるシクラメンのトラブルにおいて、全体の約7割以上を占めるのが「茎の軟化・倒伏」と「葉の黄変」です。なぜ、良質な株であっても急激に調子を崩してしまうのでしょうか。その背景には、自生地と日本の室内環境との決定的なギャップが存在します。

シクラメンが枯れる理由の筆頭に挙げられるのが「室内の暖房による高温障害」です。地中海沿岸の冷涼な山岳地帯原産であるシクラメンは、生育適温が10℃〜18℃と非常に涼しい環境を好みます。人が快適と感じる20℃以上の暖房が効いたリビングに置かれると、植物体は過剰な蒸散と呼吸消耗を起こし、エネルギーを急激に消費して株全体が脱力してしまいます。

さらに、シクラメンの葉が黄色くなる原因として見落とせないのが、以下の3大要素です。

  • 日照不足による光合成阻害:レースのカーテン越し程度の十分な光が届かない場所では、外側の葉からクロロフィル(葉緑素)が分解され、黄色く変色します。
  • 球根上部への灌水による腐敗:土の表面から露出している球根の頭(成長点)に直接水をかけると、カビの一種である灰色かび病や細菌による軟腐病が誘発され、組織がドロドロに腐敗します。
  • 根詰まりおよび肥料切れ:開花期に活発な代謝を行うシクラメンは、リン酸や微量要素が枯渇すると古い葉から養分を回収しようとするため、下葉が黄変して脱落します。

生産農家への取材によると、「購入後すぐに枯らしてしまう方の多くは、愛情のあまり暖房の効いた部屋の中央に置き、毎日欠かさず上から水をかけてしまっている」と指摘します。良かれと思った世話が、植物にとっては致命的なストレスとなっているのです。

渡辺 美咲

渡辺 美咲

ガジェット&アプライアンスライター

心身ともに健康で持続可能なライフスタイルをテーマに、最新のウェルネストレンドを発信中。