Stap細胞騒動と笹井芳樹氏の悲劇|天才科学者が遺した言葉と功績の真実
笹井芳樹氏の科学的功績は、STAP問題によって決して色褪せるものではありません。京都大学医学部を卒業後、36歳の若さで京都大学再生医科学研究所の教授に就任。その後、理化学研究所の発生・再生科学総合研究センター(理研CDB)の設立に尽力し、日本の再生医療研究を世界トップレベルへ押し上げた立役者です。
笹井氏の最大の業績は、多能性幹細胞(ES細胞)を用いて、外部から複雑な指示を与えることなく、細胞自身が自律的に組織を作り出す「自己組織化」現象の解明でした。世界で初めてES細胞から「立体的な網膜組織」や「大脳皮質組織」を試験管内で再現することに成功した成果は、世界中の研究者を驚嘆させました。
この業績は、現在の創薬や再生医療で不可欠となっている「オルガノイド(ミニ臓器)技術」の基礎を築いたものであり、国内外の科学者たちから「ノーベル生理学・医学賞に最も近い日本人研究者の一人」と高く評価されていました。