姿勢の崩れや集中力低下の原因?対称性緊張性頚反射(Stnr)と発達の真実

姿勢の崩れや集中力低下の原因?対称性緊張性頚反射(Stnr)と発達の真実について重要なポイントを解説いたします。専門家の見解をご確認ください。

STNRと非常によく混同されるのが、非対称性緊張性頸反射(ATNR: Asymmetrical Tonic Neck Reflex)です。どちらも首の動きをトリガーとする原始反射ですが、その運動軸と役割には明確な違いが存在します。

ATNRは「左右の非対称な動き」を司る反射です。顔を右に向けると右側の手足がピンと伸び、反対の左側の手足が曲がる、いわゆる「フェンシングのポーズ」をとります。これは生後まもない時期から存在し、自分の手を見つめる協調運動(ハンド・アイ・コーディネーション)や寝返りの基礎を作ります。

一方のSTNRは「上下の対称な動き」を担当します。床に張り付いていた赤ちゃんが四つん這いの姿勢をとるためには、ATNRの左右の非対称な緊張から脱し、両手両足を左右均等に使える身体の土台が必要となります。STNRが機能することで初めて赤ちゃんは四つん這いでお腹を持ち上げられますが、この反射が強すぎると、頭を動かすたびに手足が固定されてしまい前に進むことができません。

「ハイハイがうまくできない」「お腹を引きずったまま移動する(ずり這い)期間が不自然に長い」というケースでは、ATNRからSTNRへの移行、あるいはSTNRの統合プロセスが過渡期にあることが関係しています。赤ちゃんの移動運動は、こうした反射の出現と統合の連続によって精緻に組み立てられています。

井上 凛

井上 凛

シニアコンテンツプロデューサー

心身ともに健康で持続可能なライフスタイルをテーマに、最新のウェルネストレンドを発信中。